ユーロビートじゃ踊れない

CDラックと本棚です

青木理 - 絞首刑

素晴らしい内容だった。
一つの事件&死刑囚ごとに章を分け、事件の背景、犯人の動機と行動、裁判、遺族の心情、死刑囚の心理と心境の変化が、事件ごとにフラットに描かれてる。

著者は明らかに死刑廃止論者なんだけど、その自身の理念はあとがきまで我慢しているのもよかった。

深い位置まで死刑囚に関わっているから、当然心情的には死刑廃止に傾くのは当然でそれを否定することはない。死刑/死刑囚に近い人ほど死刑廃止論を持つのは皮肉である。

 

 

坂本敏夫 - 元刑務官が明かす死刑のすべて

死刑囚と長年過ごしているから仕方ないのかも知れないけど、心情が死刑囚に寄り添いすぎてるのと、死刑執行に携わる刑務官のストレスの主張が強くて、死刑反対のスタンスが強すぎた気がする。
あとかなり読みにくいテキストのテイストだった。知らないことが多くあったことはよかった。

 

 

 

江本孟紀,里崎智也 - プロ野球解説者「無敵バッテリー」がゆく 野球の正論

逆張りおじさん2人が話してたって感じ。
エモやんは好きだけど里崎はそうでもない。

 

 



 

 

 

 

中村淳彦 - 東京貧困女子。:彼女たちはなぜ躓いたのか

あまりにも残酷で救いのない話ばかりだったけれど、正直読み進める手が止まらずにあっという間に読み終えた。
日本が貧しくなっているとよく言われてきたけれど、この本で真の意味で体感することができた。
子どもたちには、少なくとも介護職だけには就かないようにとは伝えた。

 

 

湊かなえ - 豆の上で眠る

最後の最後にこれまでまったく登場してなかった人物が最重要人物だと言われても、感情が入っていかない。

なので伏線回収と言うより、つじつま合わせのように感じた。

 

 

田崎健太 - ドラガイ

ドラフト外で活躍した選手たちの記録。ひとりひとり深く入り込んだインタビューとストーリーでとても読み応えがあった。スポーツライターとしてのクオリティが非常に高い。
石井琢朗大野豊石毛博史、松沼兄弟、団野村(元選手とは知らなかった)、亀山努の6人。
この著者の他の本もぜひ読みたい。

菊地高弘, 蔵建て男 - プロスカウトは逸材のどこを見ているのか? 野球太郎セレクション

数年前の本だから若干の古さは否めないけれど、それを差し引いても物足りなさの方が残った。各球団のスカウト当人に切り込むことは評価できるけど、深さと言うか取材が足りない印象。

中山千里 - 追憶の夜想曲

御子柴礼治シリーズ第2弾。
終盤の大逆転はカタルシスだったけど、それを上回る予想外の展開でまたカロリーが高かった。次回作もあるらしいけど、すべてを破壊した後にどうやって作品にするのかが気になりまくる。