ユーロビートじゃ踊れない

CDラックと本棚です

張江泰之 - 人殺しの息子と呼ばれて

 

 

北九州連続監禁殺人事件の息子のインタビュー。小学生時代に監禁された人たちが同じ家の中で殺され、バラバラにされ、鍋で煮込まれ、ミキサーにかけたドロドロの物体になり、それを漏斗を使ってペットボトルに入れてトイレや海に遺棄したという。息子はそれが何か分からないとはいえ、ペットボトルにつめ替える作業まで行ったという。また自分も父親から通電され、出生届未提出だから無戸籍で、事件発覚する10歳まで学校にも行かないで育った。

そんな彼が、過去に苦しみながらも、過去を完全には忘却しないながらも、自分のルーツに悩みながらも、自分の未来を見据えて過ごしてきた生き方、考え方は本当にすごかった。自分なら間違いなく堕落してただろう。

小さいことでくよくよしてる場合じゃない、と背中を押されるようなそんな本だった。